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訪問看護師の服装を紹介!身だしなみや季節に応じて気をつける点は?
訪問看護における服装選びの基本的なガイドライン・身だしなみのポイントや季節に応じて気をつける点について解説します。
訪問看護師の服装は、地域を支える専門職としての信頼を損なわないよう適切に選ぶ必要があります。特に夏場や冬場の服装選びは、機能性のほか快適さも重視する必要があるため、どうすればいいか迷う方もいるかもしれません。
この記事を読み、実際に訪問看護師として働く上で服装を選ぶ必要がある場合の参考にしていただければと思います。
訪問看護未経験の方もお気軽にどうぞ!
目次
訪問看護の服装を上下別に紹介
訪問看護の現場で働く看護師には、機能性と専門性を兼ね備えた服装が求められます。多くは事業所ごとに指定のユニフォームが用意されていますが、場合によっては下のみ個人で選ぶ、といったケースもあります。
訪問先での第一印象は、看護師の服装からも大きく影響を受けるため適切なアイテム選びが非常に重要です。ここでは、訪問看護師がどのような服装を選んでいるのかを上下別に紹介します。
上はスクラブ・ポロシャツ
訪問看護師の上半身に着用する服装として最も一般的なのは、スクラブやポロシャツです。
スクラブは病院やクリニックなどの医療施設でも採用されていることが多く、動きやすさと機能性を考慮して設計されています。また、ポケットが付いているため必要な医療器具や消耗品を携帯しやすいというメリットがあります。
ポロシャツはカジュアル過ぎず、清潔感を保ちやすいのが特徴です。どちらも利用者に対して専門性と親しみやすさを感じさせることができるため、信頼関係の構築にも寄与します。
下はチノパン・ジャージ素材のスラックス
下は、チノパンやジャージ素材のスラックスを選びましょう。
チノパンは耐久性がありながらも清潔感を感じられるため、きちんとした印象を与えることができます。
ジャージ素材のスラックスは伸縮性が高く、非常に動きやすいのが特徴です。そのため、長時間の移動やさまざまな体位でのケアが求められる訪問看護の現場において重宝されていますし、形が綺麗な細身のタイプを選べば上品に見えます。
どちらも機能性と見た目のバランスが取れており、訪問看護師としての活動をサポートするための適切な選択と言えるでしょう。
白ゆりでは共通のユニフォームを用意
白ゆりでは、訪問看護師に共通のユニフォームを貸し出しています。2023年11月にリニューアルしたユニフォームは、すっきりした見た目はもちろん機能面も重視。
ストレッチがきいたニットシャツはUVカット効果や両脇ポケット付きで使いやすく、ネイビーのスラックスもゆとりがあり、優れたストレッチ素材で動きやすいです!
また、ニットシャツの色は3種類あります。色がはっきりとした色を採用しているため、視力が低下している方も見やすく、認知症の方でも見分けやすいデザインにこだわっています。地域の方に「白ゆりのスタッフ」だと認識してもらいやすいよう差別化されたデザインもポイントです。
現場で働くスタッフに大変好評なユニフォームなので、ぜひInstagramなどでデザインをチェックしてみてください。
訪問看護師が服装を選ぶ6つのポイントは?
訪問看護師の服装のイメージはついたかと思いますが、「色や素材はどう選べばいいの?」と考える方もいるでしょう。ステーションで指定のユニフォームが支給されていればいいですが、そうでない場合は自分で選ぶ必要があります。
ここからは、訪問看護師が服装を選ぶ際に重視すべき6つのポイントについて解説します。それぞれのポイントを適切に取り入れ、利用者から信頼を得やすい服装を目指しましょう。
汚れの目立ちにくい色の服を選ぶ
数十年前は、看護師といえば白衣のイメージでしたが、現代ではユニフォームのカラーバリエーションが豊富になっています。
医療用のユニフォームは一般的に、はっきりとしたコントラストや明るい色の上着、汚れが目立ちにくいモノトーンのパンツなどが望ましいとされており、患者の心理面に配慮した色を選んでいる医療機関も増えてきました。
例えば、ネイビーやグレーは専門性を感じさせ、ピンクは柔らかい印象を与える色です。また、視力が低下している方にとっては、コントラストがはっきりしたユニフォームは識別しやすいという利点があります。
ユニフォームのバリエーションが豊富だからこそ、地域の方々に「○○ステーションのスタッフ」と認識してもらえるようステーションごとに特定の色を指定している場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
ストレッチ性のある素材
訪問看護師が提供するサービスでは、利用者の状態確認だけでなく、入浴介助や排せつケアなど、動きを伴うケアも実施します。そのため、動きやすい服装であることが非常に重要になってきます。
ストレッチ性のある素材を選ぶことで、長時間の移動や身体的な介助が求められる場面でも柔軟に対応することができます。
手入れがしやすくシワになりにくいもの
看護師の服装は常に清潔である必要があります。訪問看護ステーションでは、基本的にスタッフがユニフォームの洗濯をしているため、シワができやすい素材だと手入れが大変です。そのため、ユニフォームは手入れがしやすい素材を選ぶことが推奨されます。
ポリエステルや混紡生地は洗濯後の乾きが早く、アイロンが必要ない場合も多いです。これらの生地を使用した服を選ぶことで、日々のユニフォームの管理が楽になります。
通気がよく速乾性が良いもの
車椅子の移乗など、利用者へ提供するケアによっては距離が近くなったり、身体を密着させる場合があります。特に夏場は汗をかきやすくなるため、通気性と速乾性が良い素材の服を選び、清潔感を維持できるようにしておきましょう。
通気性に優れた服であれば、汗の臭いや汗染みといった不快感を軽減できるため、看護師自身の負担軽減にもつながります。
靴下の色や柄にも注意
靴下も服装の一部として、見た目や看護師の印象に影響します。基本的に訪問看護では利用者宅で靴を脱いで部屋に上がるため、靴下の柄は利用者の目に入りやすいです。
デザインは一概にこれがいいとは言えませんが、利用者によっては派手なデザインを好まない人もいるため落ち着いた色の無地を選ぶのが無難です。
ただ、場合によっては靴下の柄が会話のきっかけになったり、利用者から褒めてもらえることもあります。
靴は歩きやすいスニーカーなどがベスト
訪問看護師の移動手段はさまざまですが、車を使用する場合であっても駐車場の場所によって徒歩での移動が多くなることがあります。そのため、靴選びは歩きやすさや快適さを重視したスニーカーやウォーキングシューズがベストです。
自分の足に合った歩きやすい靴は、長時間の立ち仕事や移動に適しているので疲れにくく、足への負担も軽減します。また、滑りにくいソールやクッション性の高いインソールを備えたものを選ぶと転倒防止にもなるため、安全性も高まります。
さらに、利用者宅を訪れる度に靴を脱ぎ履きする必要があるため、着脱がしやすいかも大切です。
身だしなみで気をつけるべきマナーは?
上記では、訪問看護師の服装を選ぶためのポイントを紹介しました。しかし、訪問看護師は服装だけでなく、身だしなみにおいても注意が必要になります。
ここでは、訪問看護師が身だしなみで気をつけるべきマナーを詳しく解説します。衛生的に配慮すべきポイントも取り上げるので、実際に働く前のイメージにつながれば幸いです。
清潔感を保つ
清潔感があるかないかは、利用者やその家族に与える印象に関わります。そのため、常に清潔な服装を心掛けることは基本中の基本です。
清潔感を保つためには、服装だけでなく、爪を短く整えることや手洗いを徹底するなどの細かな点にも気を配る必要があります。また、訪問の前には必ず服装に汚れや破れがないかを確認し、シワも伸ばしておきましょう。
これらの小さな努力が専門職としての誠実さを伝え、利用者から信頼を得ることにつながります。
化粧・髪型
化粧は、なるべくナチュラルに抑えましょう。濃い化粧やノーメイクは、利用者に不快感やガサツな印象を与えかねませんので、基本的には清潔感を保ちつつ、肌を健やかに見せる程度の軽いメイクを心掛けます。
髪型は、利用者の安全と衛生面を考慮する必要があります。長い髪の場合は、利用者の肌などに直接ふれないよう、アップスタイルにするなどきちんと束ねるようにしましょう。
ショートヘアの方は寝癖が付きやすいので、訪問前に鏡で確認しておきます。髪色についても、なるべく明るすぎる色は避け、ナチュラルな茶色など落ち着いた色にするのが無難です。
化粧や髪型は清潔介助やリハビリで乱れることが多いので、直しやすいスタイルにすることで清潔感を持続することができます。
匂い
匂いは、自分で気づきにくいため意外と見落としがちな身だしなみポイントです。
医療現場では、患者や利用者の体(創部や排泄物など)から発生する匂いも身体の状態をアセスメントする上で非常に重要な要素であることから、それを妨げる看護師自身の匂いには気をつけなければなりません。そのため、香水や過度な香りの整髪剤、柔軟剤などの使用は避けることが基本です。
また、喫煙者の方はタバコの臭いに注意し、電子タバコへの切り替えを視野に入れると良いかもしれません。耳が聞こえづらい利用者の場合は、顔を近づける必要があるため、口臭にも気をつけましょう。
夏場で汗の匂いが気になる場合は、無香料タイプの制汗剤などを使用します。
雨の日に注意すべきことは?
自転車やバイクなどで訪問をする看護師にとって、雨の日の服装選びは普段とは異なります。車や公共交通機関を利用する方でも、傘の扱いなどに注意が必要になります。
ここでは、訪問看護師の服装選びにおいて、雨の日に注意すべきことについて解説します。
利用者の自宅を濡らさない
雨の日に訪問看護を行う際には、利用者宅を雨で濡らさないよう注意することが原則です。これは、利用者の家を汚さないというマナーだけでなく、床などに落ちた水で利用者が転倒しないようにするための安全管理も含まれています。
自転車や徒歩の場合
レインコートやウエアの選び方は、水をしっかり弾く防水性の高い素材かつ着脱がしやすいことが重要です。膝下が濡れるのを防ぐためにも、丈の長いものを選びましょう。
室内に入る前は、表面の水滴を拭いてからビニール袋などに収納します。足元はレインシューズ、訪問バッグは専用のカバーなどで防水します。
車移動の場合
駐車場から利用者宅までの移動は、傘で十分な場合が多いです。傘はなるべく玄関には持ち込まず、外の雨のあたらない場所に立てかけておきます。
折り畳み傘は、ビニール袋などに入れてバッグに仕舞いましょう。足元は雨の状況などを見て、レインシューズにするか判断します。
利用者の家を濡らしたり汚さないという観点はもちろんですが、看護師自身が濡れてしまうことで体調を崩してしまう可能性もあるため、雨の日はしっかりと濡れないための対策をしましょう。
夏・冬の服装のポイントは?
外移動が中心の訪問看護師にとって、季節に応じて服装を調整することは、日々の業務を効率良く快適に行うために非常に重要です。
夏と冬では、気候に大きな差があるため、それぞれの季節の特性に合わせた服装の選び方が求められます。ここでは基本的な夏と冬の服装のポイントについて説明します。
夏の場合
夏の訪問看護でつらいことは、強い日差しの中でも外出しなければならないことです。特に下記のようなリスクが懸念されます。
夏の訪問看護でのリスク
・クーラーによる寒暖差で体調を崩す
・暑さによる夏バテ
・熱中症
これらのリスクを軽減するためには、紫外線をしっかりガードする必要があります。以下の対策が有効です。
・カーディガンなど薄手の羽織ものを用意しておく
・サングラスや帽子を活用する
・UVカット機能がある薄手の長袖やアームカバーで肌を守る
冬の場合
冬は寒さで身体が冷えやすく、体調を崩しがちです。そのため、体温低下を防ぐ防寒対策が重要であり、同時に動きやすさも考慮する必要があります。具体的な対策は以下の通りです。
・軽量で保温性に優れたダウンジャケットを選ぶ、鞄に収納できるサイズにまとめられるものがベスト(腰丈のものが動きやすくお薦め)
・ユニフォームの下に吸湿発熱性が高いインナーを着用する
・訪問先で脱ぎ着がしやすいカーディガンやフリースを重ねる
重ね着をしすぎると動きにくくなることがあるため、その日の天候に応じて調整しましょう。
季節の服装については、地域の気候によっても変わります。
夏は35°を越える猛暑日が多いのか、冬は雪が降るほどの寒さなのか。自分の住む場所に合わせて、天候による気温差を縮められるような工夫を考えることも大切になります。
まとめ
訪問看護師の服装選びは、ただのファッションの問題ではなく、業務を行う上での機能性と専門性を兼ね備えた要素が求められます。季節に応じた適切な服を選ぶことで、自分の健康を守りつつ、利用者からの印象も良くなります。
自分で選ぶ必要がある方は、ナース用品専門店でも訪問看護師向けの製品を販売しているので、この記事で紹介したポイントを参考にしながら選んでみてください。
訪問看護師が持つべき必需品や鞄選びのポイントについて、具体的には下記の記事で詳しく解説しています。
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週間
編集部
訪看オウンドメディア編集部
訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。