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訪問看護師の必需品を紹介!基本のグッズからあると安心なもの
訪問看護では、利用者のケアのためにさまざまなグッズを持って自宅へ伺います。用意するものは日常生活のケア用品から医療処置に必要なものまで多岐にわたるため、荷物が多くなりがちです。
そのため、在宅医療の現場に何を持参すればいいのか迷っている方・バッグの中身を見直したいと考えている方もいるでしょう。
この記事では、訪問看護師にとっての必需品からあると安心なグッズまでを紹介します。また、使いやすい訪問バッグについても説明しているので、訪問看護の経験が浅い方もぜひ参考にしてみてください。
訪問看護未経験の方もお気軽にどうぞ!
目次
訪問バッグはたっぷり入るサイズを選ぶ
訪問バッグについては、ステーションで支給されない限り訪問看護師が自分の使いやすいバッグを用意しますが、必需品が多いためにバッグは重くなりがちです。
そのため、訪問バッグを選ぶときには以下の4つのポイントを押さえることが重要になります。
①ある程度の重さ(5㎏以上)に長年耐えられる丈夫な生地のもの
②A4サイズの書類がそのまま折れずに入る大きさ
③細かい物品が取り出しやすいポケットの多いバッグ
④シンプルなデザインで、色は汚れが目立たない黒や紺色がお薦め
バッグの形は、リュックサック・トートバッグ・ショルダータイプが一般的で使いやすく、ポケットについては、インナーバッグを入れたりサブバッグを利用する看護師もいます。
華美なデザインのものは利用者に不快感を与える可能性があるため、避けることが望ましいです。
理想のバッグが見つけられない方は、看護師用品専門店にポイントを満たしたバッグが販売されているので、参考にしてみてください。
訪問看護師の必需品とは?現場で必要な基本グッズを紹介
訪問看護は病院と違い、看護を行う現場に必要な備品がそろっているわけではありません。そのため、さまざまな必需品を持参して利用者の自宅に訪問する必要があります。
訪問看護に詳しくない方は「あれもこれも必要になるのでは?」と考えるかもしれません。ここからは、訪問バッグに入れるべき必需品について説明します。
訪問看護師が用意すべき基本グッズは以下の通りです。
バイタルサイン測定グッズ
①電子体温計
②血圧計
③パルスオキシメーター
④聴診器
⑤メジャー
⑥電池
⑦アルコールスプレー
⑧ペンライト
これらのバイタルサインを測定するグッズは、病院でも当たり前に使用されているものです。
バイタルサイン測定グッズは訪問先で使用できないことがないように、動作確認を毎日行い、交換用の電池を持ち歩くようにしましょう。
聴診器を貸出している事業所もありますが、自分の使い慣れているものを用意するのが良いと思います。利用者のケアごとに使用物品は消毒するため、アルコールスプレーも用意します。
訪問看護リハビリステーション白ゆりでは、所属スタッフに訪問基本セットの貸与を行っています。詳しくは下記の内容をご確認ください。
訪問看護リハビリステーション白ゆり 採用情報 待遇
医療消耗品
①ガーゼ
②絆創膏
③防水フィルム
④シルキーテックス
⑤包帯
⑥サージカルテープ
⑦アルコール綿
⑧ワセリン
⑨オリーブオイル
医療消耗品は、利用者の状態によっては自宅で準備していただきますが、看護師の方でも持参しておきます。ワセリンやオリーブオイルは、軽い発赤の処置や汚れの除去など使い道が多いので用意することをお薦めします。
ケアアイテム
①爪切り
②爪やすり
③ニッパー
④ピンセット(毛抜きでも可)
⑤駆血帯
爪切り用品については、利用者のものがあればそれを使用します。ほかの利用者と共用するのを嫌がる方もいらっしゃるので、必ず本人に確認しましょう。高齢者は爪が肥厚している方が多いため、ニッパーは必需品になります。
また、爪切りはコミュニケーションのチャンスです。どれだけ時間をかけられるかにもよりますが、やすりまで丁寧にかけて仕上げてあげると大変喜ばれることが多いので、状況を見ながら試してみてください。
衛生用品
①使い捨てマスク
②ポリエチレン手袋
③プラスチック手袋
④ペーパータオル
⑤石鹸
⑥ジップロック
⑦感染予防グッズ
マスクや手袋の予備は常に何枚か携帯しておきます。感染予防グッズについて、白ゆりでは下記のグッズを用意しています。
【感染予防グッズ】
・フェイスシールド
・使い捨てガウン
・N95マスク
・シューズカバー
・ゴミ袋
利用者宅に到着したら手洗いをさせていただくため、石鹸は液体タイプか泡のものを小さなボトルに詰め替えて持っていくと便利です。
ジップロックは使ったペーパータオルを捨てるのに使います。その用途以外にもジップロックはさまざまな場面で役立つので、何枚か忍ばせておくことをお薦めします。マスクや手袋もジップロックに入れるとコンパクトに収納できます。
事務用品
①ボールペン
②油性ペン
③メモ帳
④付箋
⑤記録用紙あるいはタブレット
⑥名刺
⑦シャチハタ印鑑
⑧定規
⑨はさみ
⑩名札
訪問先でメモを取ったりするため、筆記用具も必需品です。
お薬セットに記入する細字と太字が両側についている油性ペンも用意します。定規は、ストマや褥瘡などの径を測るために使用するので、短すぎないものを選びます。利用者や家族にメモを残すことも多いので、付箋やメモ用紙もあると便利です。
なるべく早く名前と顔を覚えてもらえるよう、名札は常に胸にかけておきましょう。
訪問の内容によっては入浴介助用グッズも必需品に
訪問の内容によっては、入浴介助用のグッズが必要になります。
個人宅の浴室は病院のように広くないため、利用者と近い距離で介助をすることになります。そのため、濡れても大丈夫なように着替えなどを用意しておきます。
入浴介助で使用する主な物品は以下の4点です。
①ハーフパンツ
②Tシャツ
③防水エプロン
④フェイスタオル
着替えの際は、利用者と家族に断りを入れてからトイレや脱衣所を借りましょう。夏は大量の汗をかきますので、タオルを首に巻くことをお薦めします。ケアの後は、熱中症予防のために水分をしっかり摂りましょう。
訪問看護師お薦め!あると安心なグッズとは?
訪問看護師の持ち物には、必需品に加えて「個人的に持っておくと安心なグッズ」も含まれます。ここでは、もしもの時に持っておくと安心なアイテムを3点紹介します。
靴下・スリッパ
ペットを飼っていたり、部屋の掃除が行き届いていない家庭など、利用者によって家の環境は異なります。そのため、次の訪問先のことを考えて、替えの靴下やスリッパは常にストックし、必要なときに取り出せるようにすると良いでしょう。
携帯充電器
利用者の情報を電子端末で管理している場合は、タブレットや携帯の電源がなくなると業務に影響が出てしまいます。
訪問前に充電量を確認することはもちろん、予備のモバイルバッテリーや携帯充電器があると安心です。
地域の防災マニュアル・事業所のBCP(大規模災害時の事業継続計画)マニュアル
現在も日本各地で地震や自然災害が頻発しており、災害対策の意識は高まっているかと思います。
訪問看護の場合も、いつ何が起きても対応できるように事業所としての対策の共有を行い、訪問時には訪問エリアの防災マニュアルの携帯を推奨します。
まとめ
訪問看護と病院の違いは「限られた物品の中でケアをする」ということです。つまり、必要なものは自分で事前に考えて準備をする必要があります。
筆者の主観になりますが、訪問看護は「創造の看護」だと思います。
その人、その家のやり方も大切にしながら、お金や手間などの負担を最小限にし、限られた時間内でケアを実施して利用者に喜んでもらえるサービスをする。そのための工夫や考え方は何一つ正解がありません。
ペットボトル一つ取っても、陰洗ボトルになったりクーリングに使ったり、薬のセッティングにも使います。そんな工夫を考え、スタッフ同士で話し合いをすることも訪問看護の楽しさの一つではないかと考えます。
これから訪問看護師として働きたいと考えている方や、訪問看護師として働き始めた方には、楽しみもある反面、不安もあるかと思います。まずはその不安を一つずつ拭うために、バッグの中身は常に整理をし、毎日安心して訪問ができるようにしましょう。
そして、訪問看護の一番の必需品は…『元気な笑顔』です。もちろん、TPOは考えた方が良いですが、時に利用者へ元気を与えられるような、そんな看護師でいたいと思うことが大切です。
最後になりますが、この記事が訪問看護に興味を持っている看護師や、訪問看護師として働いている方に少しでも役立つことができたら幸いです。
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編集部
訪看オウンドメディア編集部
訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。