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看護師に伝えたい笑顔がもたらす効果とは?作り笑いでも健康にメリットあり!

看護師に伝えたい笑顔がもたらす効果とは?作り笑いでも健康にメリットあり!

業務上、多くの患者と関わる看護師にとって安心感を与えるための笑顔は欠かせません。しかし、忙しい現場ではストレスが溜まり、笑顔で接することが難しいと感じることもあるのではないでしょうか。

笑顔は、患者との信頼関係を築くコミュニケーションの手段だけでなく、自分自身のストレスを和らげるなど心身の健康にも良い影響をもたらすとされています。たとえ作り笑いでも、その効果が示唆されている研究もあります。

この記事では、笑顔がもたらす具体的な効果や、自然な笑顔をつくるコツを紹介します。笑顔について改めて考えたい看護師の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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看護の現場で笑顔が大切な理由

患者に笑顔で接する看護師

笑顔は、患者と看護師の間に信頼関係を築くうえで重要な役割を果たします。また、看護師同士の連携がスムーズになりやすいといった効果もあるため、看護の現場では笑顔を重視したコミュニケーションが求められるのです。

具体的にどのような理由やメリットがあるのか以下に詳しく説明します。

コミュニケーションが円滑になり、連携が深まる

笑顔のように、言葉だけに頼らないコミュニケーション法を「ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)」といいます。表情や声のトーン、頷きといった非言語要素は、ときに言葉よりも多くの情報を伝える手段の一つです。

看護の現場では、忙しさから表情が硬くなり、意図せず冷たい印象を与えてしまうことがあります。必要最低限の報告時でも、笑顔を添えることで相手の受け取り方が和らぎ、安心感や信頼感につながります。

この効果は、患者へのケアだけでなく、看護師同士のやり取りにも役立ちます。コミュニケーションが円滑になれば連携がスムーズになり、チームとしてのパフォーマンスも向上しやすくなるでしょう。

患者との信頼関係を築きやすくなる

患者の多くは、身体の不調や将来への不安を抱えながら入院生活を過ごしています。

そのような中で看護師ができることは、ケアを継続しながら少しでも不安を和らげるよう努めることです。看護師が笑顔で接するだけでも、患者は「この人なら大丈夫かも」と緊張を解き、心を開きやすくなります。

また、笑顔は言葉での意思疎通が難しい患者とのコミュニケーションにも効果的です。たとえば、認知症の方や意思表示が困難な患者でも、笑顔で接することで安心感を抱きやすくなります。

このように、笑顔は「自分を受け入れてくれている」という信頼のサインになります。信頼関係が築かれることで、患者は自身の体調や気持ちをより正確に伝えやすくなり、看護師側もアセスメントを行いやすくなります。

つまり、笑顔は看護師と患者の双方にとって、より良いケアを生み出すための土台となるのです。

【関連記事】
もう迷わない!看護に必要なコミュニケーションとは?患者・看護師同士で大切なポイントやスキルアップの方法

笑顔が伝わり、職場の雰囲気が明るくなる

周囲に笑顔を浮かべる人が多いと、自分も自然と笑ってしまうことはありませんか?このように他者の感情に影響される現象を、心理学では「情動伝染」と呼びます。

情動伝染はネガティブな感情の方が広がりやすいとされているため、苛立ちや焦りを表情に出すだけで、職場全体がピリピリした空気になりやすくなります。その雰囲気は、患者にも伝わりやすいでしょう。

そういった側面から、たとえば挨拶だけでも笑顔を意識することで周囲の空気が柔らかくなり、会話がしやすくなります。小さな笑顔の積み重ねが、働くスタッフも患者も安心できる明るい職場づくりにつながるのです。

笑顔がもたらす健康へのメリット|ストレス緩和から免疫力アップまで

笑顔はストレスに効果あり

笑顔は、コミュニケーションの円滑化だけでなく、ストレスの緩和や免疫力の向上など、心身の健康面にも多くのメリットをもたらします。

主な効果は次の4つです。これらの効果について、順に見ていきましょう。

  • 幸せホルモンの増加で幸福度が上がる
  • 自律神経のバランスが整い、ストレスが緩和する
  • 脳の働きが活性化しやすくなる
  • 免疫力がアップする

幸せホルモンが増加し、幸福度が上がる

笑うことで「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質・セロトニンが分泌されます。セロトニンには、脳の興奮を抑えて心の状態を安定させ、不安やストレスを感じにくくする働きがあり、結果として幸福度を高める効果があるとされています。

そのため、心がつらいときこそ意識的に笑顔を浮かべることで、気持ちが軽くなる可能性があります。

また、セロトニンは日光浴や適度の運動、タンパク質の摂取などでも分泌されます。笑顔とあわせて生活習慣を整えることが、心身の安定や幸福度の維持につながるでしょう。

自立神経のバランスが整い、ストレスが緩和

笑顔には、自律神経のバランスを整える効果があるとされています。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類に分けられます。交感神経は身体が活動する日中に優位に働き、副交感神経は睡眠中やリラックスしたときに優位になります。アクセルとブレーキのように、それぞれがバランスよく働くことで、心身は安定した状態を保つことができるのです。

笑うことで一時的に交感神経が活発になり、その後、副交感神経へと切り替わることで身体がリラックス状態に入ります。このように、交感神経と副交感神経のスイッチが切り替わることで自律神経が整い、ストレスが緩和します。

脳の働きが活性化しやすくなる

脳には「海馬」と呼ばれる器官があり、笑顔によってその働きが活性化するといわれています。

これは、笑うことで多くの酸素が取り込まれ、脳の血流が促進されるためです。海馬は記憶を司る重要な部分で、活発に働くことで記憶力の向上につながります。

また、笑顔には脳波の一種である「アルファ波」を増やす効果もあります。アルファ波が増えることで心身がリラックスし、集中力の高まり、ストレスの軽減といったメリットをもたらしてくれるのです。

免疫力がアップする

「笑いは百薬の長」ということわざがあるように、笑顔には免疫力を高める働きがあるとされています。

体内には、リンパ球の一種であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)という免疫細胞が巡回し、ウイルスやがん細胞を退治する役割を担っています。このNK細胞は、笑うことで働きが活性化するという実験報告がいくつかあります。

たとえば、医師による講演と落語を組み合わせた講座の参加者を対象に行った研究では、体験後にNK活性が上昇した人が27名中18名にのぼったとされています。強いエビデンスとまでは言えませんが、笑いが健康維持に良い影響を与える可能性を示す結果です。

相手からの笑顔を見るとつい微笑んでしまうように、笑顔は人に伝わります。看護師が笑顔で関わることで患者の気持ちも和らぎ、心身ともに良い循環を生み出すことができるでしょう。

参考:西田元彦・大西憲和「笑いとNK細胞活性の変化について

作り笑いでも効果あり!自然な笑顔をつくるコツ

笑顔をつくるコツ

笑顔の大切さや効果を理解しても、現場では笑顔になれない瞬間もあります。しかし、「笑顔の効果を得るには心から笑わらないと意味がない」というわけではありません。作り笑いでも一定の効果があることが報告されています。

ストレスを感じやすいとされる看護師19名を対象に行われた実験では、業務中に意識的に笑顔を取り入れたことで、過半数の看護師でバーンアウトスコア(燃え尽き尺度)が低下し、ストレスが軽減されたと報告されています。

つまり、口角を上げて笑顔の形をつくるだけでも、脳や心にポジティブな変化をもたらす可能性があるのです。

それでも自然に笑うことが難しいときは、焦らず少しずつトレーニングを取り入れてみましょう。ここでは、笑顔をつくるポイントや表情筋を鍛える方法を紹介します。

参考:三宅優、横山美江「健康における笑いの効果の文献学的考察

自然な笑顔をつくるポイント

まずは、自然な笑顔のポイントを押さえましょう。好印象を与えやすい笑顔のポイントは、次の2つです。

POINT

・頬の力を抜いて、口角を優しく上げる
・目元の力みを緩める

笑おうと意識しすぎると、かえって表情が硬くなってしまいます。肩の力を抜き、顔全体の筋肉をゆるめることを意識してみてください。

【自然な笑顔のつくり方】
①顔全体の力を抜く。頬がこわばる場合は、手のひらで軽くほぐしましょう
②思い切って口角を上げます。頬が動いていることを意識すると、口の端が上がりやすくなります
③上の歯を8本見せるように口を緩めます。すべて見せる必要はないので、鏡を見ながら自然なバランスを探してみてください
④最後に、目元の力を抜いてみましょう。無理に笑おうとせず、目尻の力みを取るイメージで。柔らかい表情に近づきます

表情筋を鍛える「あいうえお体操」

あいうえお体操

表情筋を鍛えるトレーニングとしておすすめなのが、「あいうえお体操」です。1分ほどでできる手軽な方法なので、仕事の合間や休憩時間にも取り入れやすいでしょう。

日ごろから表情筋を動かしておくことで、いざというときに自然な笑顔がつくりやすくなります。

【あいうえお体操】
・顔全体の筋肉を意識しながら、「あ・い・う・え・お」の形に口を大きく開きます。それぞれの形を5秒キープし、2~3回繰り返します
・口だけでなく目も大きく開いてみましょう。口に合わせて5秒間目を開き、その後ゆっくり緩めるように意識すると、自然と目元の緊張もほぐれます

また、厚生労働省が紹介している「顔ヨガ」もおすすめ。表情筋を動かしながら、顔や首の血流を促進し、リラックス効果を得られる方法です。詳しくは以下のページをご覧ください。

参考:厚生労働省「POSOTOVE SHARING 顔ヨガ

自分の好きをストックしておく

自然な笑顔をつくれるベストな状態は、身体だけでなく心もリラックスしていることです。表情筋をほぐしても緊張が取れないときは、自分の「好きなこと」を思い出してみましょう。

  • 好きなドラマや映画のシーン
  • 好きな推しに関連すること
  • おもしろかったお笑い番組
  • 友だちと過ごす楽しい時間
  • 癒やされる動物の写真

こうした“好き”を心の中にストックしておくことで、ふとしたときに気持ちを落ち着けたり、自然に笑顔を取り戻したりすることができます。

普段から「自分の好きなこと」を意識的に探しておくことも大切です。自然と楽しいことに目が向き、前向きな気持ちで日々を過ごせるようになるでしょう。心の支えになる“好き”を、たくさん見つけてみてくださいね。

白ゆりグループが大切にする「笑顔あふれる環境」とは

白ゆりでは笑顔を大切にしています

白ゆりグループでは、理念の一つに以下を掲げ、笑顔を大切にした職場づくりを行っています。

「お互いの笑顔が生活の豊かさの基盤と信じ、素敵な笑顔づくりに邁進する企業集団である。」

笑顔は、利用者さまだけでなく働くスタッフの心も穏やかにし、前向きな空気を生み出します。スタッフ同士が笑顔で支え合う雰囲気は、白ゆりならではの魅力の一つです。

笑顔で働くことを大切にしているスタッフのインタビューもぜひご覧ください。
「笑顔とおもてなし」を大切にした訪問看護が軸。やりがいと大変さの先にある楽しさを伝えたい


訪問看護リハビリステーション白ゆりでは、地域医療を一緒に支える訪問看護師を随時募集しています。訪問看護に興味のある方は、ぜひ職場見学会にご参加ください。

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まとめ

看護の現場で笑顔が大切な理由や笑顔がもたらすメリットについて紹介しました。笑顔の効果を、少しでも身近に感じていただけたのではないでしょうか。

笑顔にはメリットがたくさんありますが、気力が尽きているときに無理に笑おうとすると、かえってストレスにもなりえます。まずはしっかり休むことを優先し、そのうえで「できる範囲で笑顔を意識する」くらいの気持ちで構いません。

仕事でもプライベートでも、笑顔が増えることで人との関係がより穏やかになり、自分自身の働きやすさにもつながるでしょう。

編集部

訪看オウンドメディア編集部

訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。

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