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訪問看護で大切にしている“利用者さんが主役”という一貫した視点

訪問看護で大切にしている“利用者さんが主役”という一貫した視点

白ゆり新さっぽろで管理者を務めた後、2025年3月より北30条へ異動した訪問看護師・Sさん。子育てと仕事を両立しながらも、常に「利用者さんが主役であること」を大切にし、訪問の一つひとつに丁寧に向き合っています。

今回は、Sさんのこれまでの経験や管理者として心がけていること、訪問看護への想いを伺いました。

訪問看護リハビリステーション 白ゆり 札幌・北30条所属 S.Sさん
2019年10月1日入社 2019年10月1日入社 新さっぽろの所長を経て、2025年3月より北30条事業所の所長を務める。





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仕事と子育てを両立したい——。訪問看護という働き方の選択

——看護師になったきっかけと、これまでの経歴を簡単にお聞かせください。

看護の専門学校を卒業後、地方の市立病院や大学病院で4年ほど勤務しました。当時はまだ若く、看護師以外の仕事にも興味があったので、治験コーディネーターとして3年ほど働いていたこともあります。

その後、結婚と出産を経てクリニックでパート勤務をしているうちに、「これからは在宅医療が重視されていくだろうな」と感じ、訪問看護に興味を持ちました。

——以前にも在宅に興味を持ったことはありましたか?

在宅に興味を持ったきっかけは、看護学校時代の在宅実習です。とても楽しかったという印象が強く残っています。

クリニックで働いていたころには、地元の包括支援センターでお手伝いをする機会があり、ケアマネジャーさんの仕事を近くで見ることができたのも関心が深まった理由の一つです。

——白ゆりで訪問看護を始めようと決めた理由は?

子どもも小さかったので、子育てと両立しやすい職場を探していました。白ゆりは、私がシングルマザーであることにも理解があり、面接のときに「シングルさんも多く働いているよ」「みんな協力し合っているよ」と聞いて、安心して働けると思ったんです。

実際に働いてみてもその通りで、お互いさまの気持ちで助け合える環境が整っていてので、当時、子育てと仕事の両立に悩んでいた私にとって本当にありがたい職場だと感じています。

——訪問看護と病院の違いにギャップを感じることはありますか?

訪問看護では、病院と違って医療者が主導する場面は少なく、利用者さんが主役になります。最初、その違いに戸惑いがありました。

また、訪問先では看護師が1人で対応するため、判断に迷ったらどうしよう、という不安もありました。

病院ではすぐ先生に相談できましたが、在宅では報告の取捨選択も必要ですし。利用者さんの次の訪問までの生活を見越して支援を考えなければならないので、頭の切り替えが大変でしたね。でも、半年くらいで慣れたと思います。

——治験コーディネーターの経験が訪問看護に生かされたと感じることはありましたか?

白ゆりでは、地域のケアマネジャーさんへ直接ご挨拶に伺う「顔出しコミュニケーション」があるのですが、治験のときも薬局長さんにアポイントを取って営業に行くなど似たような経験をしていたので、その点では経験が生かされていると感じます。

また、治験では、患者さん・病院・薬局・製薬会社とのさまざまな調整が必要だったので、多職種連携の場面でも役立っていると思います。

訪問看護で一番大切なのは、利用者さんが主役であること

——訪問看護の仕事で大切なことや、心がけていることは?

訪問看護で大切なのは、利用者さんが主役であることを忘れないこと。そのため、自分の価値観を押し付けないよう常に意識しています。訪問中は「その人のためだけの時間」と考え、限られた時間のなかでできるケアを最大限尽くすよう心がけています。

このスタンスにたどり着いたのは、以前所属していた新さっぽろの先輩方の影響が大きいです。

私が悩みを相談すると、先輩方は方向性を修正しながらヒントを教えてくれました。それは、常に利用者さんの立場に立って考えているからできることで、気づかされることや学ぶことが本当に多かったです。

——利用者さんが主役であることを忘れないことは、とても大切なことだと思います。ちなみに、そのことを改めて考えたエピソードはありますか?

たくさんありますが、最近で印象に残っているのは、昨年、新さっぽろでスタートした小児の訪問看護で、初めて担当したお子さんのことです。(※2024年4月より、新さっぽろのみで小児受け入れ開始)

その子は10歳。低酸素脳症のため寝たきりで人工呼吸器を使用しており、私はお風呂支援などを中心に関わりました。急変しやすい状況なので、常に体調に目を配る必要があり、いまでもその緊張感が残っています。

お母さんは24時間体制でお子さんを一生懸命支えていて、その姿を見れば、こちらの看護観は押し付けられないですよね。

医療的に正しい処置の仕方や軟膏の塗り方、薬も適量があるとわかっていても、お子さんが3歳のころから続けてきた家庭のやり方やこだわりがある。それをまず受け入れて、尊重することが大切です。

また、この利用者さんは前の訪問看護から引き継いだ事例だったので、できる限り同じケアを心がけました。そうじゃないと、お母さんも戸惑ってしまいますから。

社長も「生まれたときから今に至るまでの過程を知ることはすごく大切」と話されていて、私も本当にそう感じます。

訪問看護は「誰が主体なのか」を常に意識する仕事です。「やらなきゃ」で働くのが仕事の当たり前かもしれませんが、自分を主体にして動いてしまうと、訪問看護ではうまくいかないこともある。だからこそ、どんなときも利用者さんを主役に考えることを忘れずにいたいと思っています。

情報を共有しながら、チームで支える訪問看護を実現する

看護師と情報共有をする訪問看護師

——Sさんは新さっぽろの管理者を経て、2025年3月より北30条の管理者として異動しました。北30条の印象はどうですか?

以前から北30条には「バリバリ訪問している」イメージがありましたが、実際に異動してみてもその印象は変わりませんでした。

常に効率よく動いていて、スピード感のある仕事ができていると感じますし、地域からも必要とされているステーションなんだなと、日々実感しています。

その一方で、忙しさのあまり朝礼・夕礼中にも別の作業をしてしまう場面があるので、今後はメリハリをつけて、みんなの意識をそろえていけたらと思っています。

朝礼は1日のスタート、夕礼はその日の締めくくりになる大事な場なので、手を止めて、報告や共有事項をしっかり受け止める時間にしてもらえるよう伝えていきたいです。

——訪問看護はチームで働くことも大切なので、チーム力を高めるという意味でも、朝礼・夕礼は大切な時間だと感じます。チームで働くうえでSさんが気をつけていることは?

セラピスト(リハビリ)と看護師、または看護師同士で、些細なことも情報共有をするよう意識しています。それに加えて、看護師やリハだけでなく、CS(コミュニケーションスタッフ)さんとの情報共有も大切です。

訪問看護は決して1人で完結できる仕事ではありませんので、事業所全体で一つのチームとして動くことが大事だと思っています。そのために、役職同士の連携も密に取るようにしています。

※CS(コミュニケーションスタッフ):事務職員のこと。レセプト作成などの請求業務や書類管理などの事務作業を通じて、看護師やリハビリ職員をサポートしています。

また、スタッフ一人ひとりとの関わり方も、とても大切です。例えば、プリセプターやプリセプティの子たちには積極的に声をかけつつも、必要以上に手を出しすぎないように、そっと見守る距離感を保つようにしています。

——最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。

利用者さん一人ひとりに想いを寄せ、その人の生活に寄り添いたいと考える方は、きっと訪問看護師に向いていると思います。これからの白ゆりには、そうした想いを大切にできる方がますます必要になってくると感じています。私自身も、そんな仲間が増えてくれたらとてもうれしいです。

白ゆりリレークエスチョン:笑顔の秘訣は?

「笑顔で、むすぶ、おもてなし」から考案した職員同士でむすぶリレー企画の第六弾です。今回は、函館・八幡通事業所のTさんの質問に答えていただきます!

函館・八幡通事業所・Tさんのインタビュー:訪問看護をもっと身近に。ベテラン看護師が目指す強みを活かしたチームづくり

——明るく元気に、素敵な笑顔でいられる秘訣を教えてください!

【Tさんのコメント】
いつもニコニコして表情も穏やかな印象なので、秘訣があれば気になります。会議とかでも困った顔はするんだけど、嫌な顔はしない。もともとそういう性格の方なのかもしれないけれど、秘訣があれば教えてほしいなと思います。

やっぱり仕事が楽しいからですかね。仕事もそうですけど、なにより白ゆりという場がすごく楽しいです。大変なこともあるけど、人と話すことが私のエネルギーになっています。

——NEXT:オンオフの切り替え、どうしていますか?

私は管理者という立場柄、休みの日も気づけば仕事のことを考えてしまうので、オンオフの切り替え方があれば教えてほしいです!

※本記事は取材時(2025年3月19日)のもので、記載情報は現在と異なる場合がございます。




編集部

訪看オウンドメディア編集部

訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。

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