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訪問看護をもっと身近に。ベテラン看護師が目指す強みを活かしたチームづくり

Tさんは病棟経験20年以上のベテラン看護師。病院ではできなかった看護に魅力を感じ、訪問看護の門をたたきました。
「訪問看護師になってよかった」と話すTさんは、函館市・八幡通の管理者としても活躍中。訪問看護へ転職したきっかけや、地域に寄り添うステーションづくりへの取り組みなどをお聞きしました。
訪問看護リハビリステーション 白ゆり 函館・八幡通所属 N.Tさん
2019年10月1日入社 2020年より八幡通事業所の所長を務める。
訪問看護未経験の方もお気軽にどうぞ!
目次
病院ではできなかった看護がしたいと、訪問看護へ
——Tさんが看護師を目指したきっかけを教えてください。
小さいころは病弱で、小学校に入る前から入退院を繰り返していたから、小児科も常連でした。母が医療事務で働いていたこともあって、昔から看護師さんと関わる機会が多く、私にとって看護師さんは憧れというか、近い存在だったんです。
なので、中学生くらいから自然に、看護師という職業を意識するようになりました。
——白ゆりに入社する前は、どのような病院で働いていましたか?
慢性期と急性期の混同病院のような、病床数も多い病院で二十数年くらい勤めていました。外科に始まり、ほとんどの病棟を周らせてもらって、本当にいろいろと学ばせてもらったと思います。
当時は、精神科と一般科が合併した病棟で退院支援にも関わらせてもらいました。精神科の方の場合、退院前に看護師が自宅に訪問することが多かったんです。看護師とソーシャルワーカーさん、症状が重い方は先生にも同行いただきます。
ある患者さんのご家族から「施設に入る前に一度家に帰らせたい」という希望があって、関係のある職種の方と一緒に対応したことがあるのですが、すごく喜んでくれましたね。在宅を意識するようになったのは、そのころからだったかなと思います。
その後も、在宅生活を支える皆さんと関わることで知識をもらい、少しずつ在宅への興味を深めていきました。
——長く一つの病院に勤めていらっしゃったんですね。訪問看護へ転職した理由は何ですか?
病院は「訪問看護師になる」という理由で辞めたわけではなく、この病院で十分学ばせてもらったと思って退職しました。次のことをゆっくり考えるうちに、病院ではできなかったことをやってみたいと思うようになり、訪問看護のことを考えました。年齢的にも、新しい方向に目を向けるチャンスは今しかないかなって。
それからいろんなステーションを調べて、まずオンコールを多く持つところは厳しいかなと感じました。私は子どもがいるんですけど、病院で働いていたときは保育園に子どもを育ててもらったみたいなもので……。だから、もう少し子どもに目を向けた生活がしたかったんです。
休日はしっかり休んで、仕事もしっかりできる。今後も長く勤められるステーションがいいなと考えていました。白ゆりは函館に大きな施設がありますし、基盤もしっかりしているだろうと思いましたね。あと、ホームページを見てから白ゆりの経営理念が大好きになり、今ではもう白ゆりマークの大ファンです!
風通しの良い訪問看護ステーションづくりのための取り組みとは?
——Tさんは2020年に八幡通の管理者となられました。事業所の雰囲気はいかがでしょうか?
白ゆり八幡通は若手が多いチームで、楽しく明るい雰囲気があると思います。コミュニケーションを取る機会も多くて良いのですが、私はもう少し方向性を変えていきたいなと考えています。
——方向性を変えるというと?
スタッフは年齢的に看護の経験が豊富とは言えませんが、訪問先であったことの報告や相談、悩みなどが気軽に言える環境にしていくことで、訪問看護の質を高めていきたいと感じています。
なので、なるべく事業所内に役職者がいるようにしています。常に相談がしやすい雰囲気をつくることで、技術の質やチームの連帯感を保っていけるのかなと。
ただ、「笑い声が絶えないステーション」であってほしいなと思っているので、利用者さんのことで一緒に話し合いながら悩んだり笑ったりを共有できる、ポジティブなステーションを目指していきたいです。
——ありがとうございます。ちなみに現在、チームづくりで取り組んでいることや、これから取り組みたいことの具体例を教えてもらえますか?

週に1回、役職者5人でミーティングをしています。八幡通は白ゆりの中で一番最初にできたステーションなので、昔ながらのやり方を今の方法に修正するといったことも必要です。問題を一つ一つ確認しながら、みんなが働きやすいステーションにするためのシステムづくりを進めています。
訪問看護の仕事はスタッフが常に一緒にいるわけではないので、アドバイスをもらったり意見を交換し合うことは意識的にやらないと難しい部分があります。なので、なるべくスタッフから意見をもらえるような環境をつくり、その意見をもとに業務改善を進めるサイクルができればなと思うんです。
あと最近では、函館でノー残業デーを導入しようと取り組んでいます。訪問看護は基本的に何時間も残るわけではないですが、事務処理や連携などで残業が発生することもあるので、仕事のメリハリをつけるためにも役職者が率先して時間を有効に使うようにしています。
地域の方の安心のために、これからも訪問看護の良さを発信し続ける

——函館市でも少子高齢化が進んでいると思いますが、今後の訪問看護の必要性やニーズについて感じることはありますか?
函館市ではここ数年で救急車をよく見かけますし、やはり訪問看護が必要な方は多いと感じますね。病院の需要が高いことはわかりますが、どこも混んでいますし……。予防の観点から考えても、普段から訪問看護師が関わっていた方が安心して在宅生活が送れる人は多いんじゃないかなと思います。
訪問看護を初めて利用した方からは「こういった相談ができるのか」「誰に聞けばいいのか分からなかった」という声も多くて、訪問看護の良さがなかなか知られていないように感じます。訪問看護を使ってくださるケアマネジャーさんは十分わかってくれていますが、まだまだ発信を周知できていないので、これからも顔出しを続けて訪問看護の敷居を下げていきたいです。
※顔出しとは、白ゆりグループで実施している、ケアマネジャーに直接挨拶する「顔出しコミュニケーション」のこと
——身体に不調があればまず病院、と考える方は多いと思います。今後も在宅のニーズは増えていくので、気軽に訪問看護を利用してほしいですね。
2024年11月から八幡通では顔出しに力を入れているので、スタッフにアドバイスをしながら背中を押すようにしています。「あなたの良さはコミュニケーション能力だから」って。そう言うと「そうなんですよ、結構誰ともしゃべれるんです」って乗り気になってくれて、しっかり顔出しをしてきてくれます。
慣れないうちは顔出しも難しく感じるかもしれませんが、抵抗なく顔出しに行けるような雰囲気になってきたかなと思いますし、スタッフもお願いしたことをきちんとこなしてくれていますね。そんなスタッフへの感謝の気持ちや、その時々で必要な言葉を伝えるように関わることも、私なりの工夫の一つです。
——ありがとうございます!最後にTさんの今後の目標を教えてください。
訪問看護は私がやりたかったことだと改めて思いますし、訪問看護師になってよかったと感じています。なので、自分の健康を大切に、楽しみながら訪問看護師として働き続けたいです。
白ゆりリレークエスチョン:小さいころの夢は?
「笑顔で、むすぶ、おもてなし」から考案した職員同士でむすぶリレー企画の第五弾です。今回は、札幌・中央事業所のNさんの質問に答えていただきます!
中央事業所・Nさんのインタビュー:地域に根差した訪問看護ステーションを志す、管理者が心がけている取り組みとは?
【Nさんのコメント】
普段は子どものことがほとんどで自分の趣味がないので、何か趣味があれば教えてほしいなと思います。
実は私もこれといった趣味がなくて(笑) しいて言えば、TVerを見ながらぼーっと過ごしている時間が至福のときです。あとは、子どもの部活の応援にも行きます。病院のときはなかなか行けなかったので、いまは試合があれば駆けつけるようにしています。
——NEXT:いつも明るく元気に、素敵な笑顔でいられる秘訣を教えてください!
いっつもニコニコして表情も穏やかな印象なので、秘訣があれば気になります。会議とかでも困った顔はするんだけど、嫌な顔はしない。もともとそういう性格の方なのかもしれないけれど、秘訣があれば教えてほしいなと思います。
※本記事は取材時(2025年2月20日)のもので、記載情報は現在と異なる場合がございます。
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編集部
訪看オウンドメディア編集部
訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。