訪問看護のこと
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訪問看護の転職に失敗しないポイントは?未経験者が後悔しがちな理由も解説

訪問看護への転職を考える看護師の多くが「働きやすい職場を選びたい」と思っています。
しかし訪問看護の経験がないと、どのようなステーションを選べばよいのかの基準がわかりづらく、悩むことも少なくありません。
この記事では、訪問看護の転職で失敗しやすい要因を紹介し、訪問看護未経験者でも安心して職場を選びやすくなるポイントを解説します。訪問看護への転職に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
訪問看護未経験の方もお気軽にどうぞ!
目次
訪問看護の転職に失敗してしまう要因

訪問看護への転職に失敗してしまう大きな要因の1つは、病院勤務との働き方の違いによるギャップです。
訪問看護は1人で判断・対応する場面も多く、求められるスキルや働き方が病院とは異なるため、「想像していた仕事と違う」と転職を後悔することも少なくありません。
特にギャップを生みやすい要因となりやすいのが、転職前の自己分析不足と情報収集不足です。
自分がどういうスタンスで働きたいかが明確でなかったり、十分な情報を集めずに休日の多さや給料など表面的な条件だけで職場を選んでしまうと、入職後にミスマッチを感じる可能性が高くなります。
訪問看護の転職でよくある失敗の理由
訪問看護の転職に失敗しやすい要因として自己分析や情報収集不足を挙げましたが、訪問看護未経験の看護師にとっては、訪問看護の働き方のイメージがつかなくて判断に迷うことも多いでしょう
訪問看護の働き方には病院とは違う特徴があるため、事前に内容を理解しておくことがミスマッチを防ぐためにも大切です。後悔のない転職をするために、よくある失敗理由を見ていきましょう。
訪問看護の業務内容が合わない
訪問看護の業務は訪問先での医療処置やケアだけではなく、報告書などの書類作成といった事務作業のほか、営利法人の事業所の場合は、新規利用者獲得のために他事業所や医療機関に出向いて営業活動を行うこともあります。
さらに、事業所によっては訪問件数の目標が設定されていることもあります。利用者への適切なサービス提供のために必要な目標ですが、病院とは違った責任感を感じる場面もあるでしょう。
また、移動手段や地域性にもよりますが、訪問先への移動が想像以上に大変なこともあります。特に冬場や悪天候時には移動に時間がかかり、体力的な負担も大きくなりがちです。
こういった事情を把握せずに転職すると、訪問看護の業務内容が合わないと感じやすくなります。
1人での訪問がプレッシャーに感じる
訪問看護は基本的に1人で利用者の自宅に訪問するため、自分で判断して行動しなければならない場面が多くなります。
病院では常に医師や看護師が近くにいる環境で、必要があればサポートしてもらえるため安心感がありますが、訪問看護の環境ではサポートを受けることが難しくなります。
そのため、利用者の状態を見極めて適切な対応をしなければならず、責任の重さや強いプレッシャーを感じることは少なくありません。
特に経験が浅い看護師や初めて訪問看護にチャレンジする方は、自分の判断に自信を持てず、精神的に負担を感じやすくなります。
オンコール対応がストレスに感じる

訪問看護では、24時間365日体制でオンコール対応にあたります。複数のスタッフで対応できる病院での夜勤と異なり、オンコールは基本的に1人で緊急コールに対応しなければなりません。
オンコールでは、いつどのような内容の連絡が入るかわからないため、待機中は気が抜けず、精神的に疲弊してしまう可能性もあります。
特に子育て中の看護師がいつ呼ばれるかわからないオンコール当番を担当するには、家族の協力が必須となります。子どもを寝かしつける時間帯や朝の支度で忙しい時間帯に緊急コールが入ることもあり、「思っていたほど子育てと両立できない」と感じる場面もあるかもしれません。
教育体制が整っていない
病院では新卒採用を取り入れていることから教育制度が整っている場所が多いですが、訪問看護ステーション、特に小規模や新設では教育システムが構築されていないことも珍しくありません。
訪問看護では看護業務のほかにも、介護保険制度や訪問看護のルールなど学ぶべきことが多岐にわたります。教育体制が整っていないと、その都度先輩スタッフに聞いて確認したりと独自に学ぶ必要があり、体系的な知識の習得が難しくなりやすいです。
その結果、必要な知識や技術を十分に学ぶ機会を得られず、自信を持って仕事を進めることが難しくなり、精神的にも負担が大きくなる可能性があります。
職場の雰囲気が合わない
訪問看護は少人数で運営されている事業所が多いため、個々の性格や考え方が職場の雰囲気や人間関係に影響を与えやすくなります。
特に管理者の考え方と自身の価値観にギャップがあると、意見が対立したり、相談しづらくなる場合があり、仕事のやりにくさや精神的な負担を増す原因につながります。
また、訪問看護は単独で動くことが多いため、悩みや負担を1人で抱え込みやすい側面があります。だからこそ、チームワークや温かい職場の雰囲気が精神的な支えとなり、スタッフのストレス軽減、モチベーションの維持につながります。
想像よりも給料が低く感じる
訪問看護では、訪問件数が給与や賞与に反映されるインセンティブ制度を導入しているステーションもあります。そのため、「頑張れば稼げる」と考えて入職しても、実際には訪問できる件数が限られており、思ったほど収入が増えないと感じることもあるでしょう。
特に、新設の事業所や利用者数が少ない事業所では、そもそも訪問件数を確保することが難しく、収入の安定が課題になることもあります。
また、昇給や賞与の仕組みや福利厚生が不透明なことが原因で期待していた待遇とのギャップが生じやすいケースもあるため、結果として想定していた給料と実際の給料が大きく異なり、転職に失敗したと感じてしまうこともあるでしょう。
求人情報と実際の労働条件が違う
転職でよくある失敗の一つが、求人情報と実際の労働条件との差異です。
例えば、残業時間が「ほぼなし」と記載されていても、実際には事務作業が多く、勤務時間外に仕事をせざるを得ないケースがあります。
また、インセンティブ制度があると聞いていても、その達成条件が厳しく、想定していたほどの報酬を得られないこともあります。
求人情報には詳しい条件が書かれていないことも多く、事前にすべてを把握するのが難しいのが現状です。そのため、入職後に想像していた働き方と違ったとギャップを感じることもあるでしょう。
訪問看護の求人選びで確認すべきポイント

訪問看護の転職を成功させるためには、事前に求人の内容をしっかり確認することが大切です。
同じ訪問看護でも、事業所によって働き方や待遇が大きく異なるため、入職後にギャップを感じることのないよう具体的な条件をチェックしておきましょう。
特に、オンコールの頻度や対応内容、教育体制、訪問件数の目安、移動手段などは、働きやすさに直結するポイントです。ここでは、訪問看護の求人選びでチェックすべきポイントについて詳しく解説します。
オンコールの体制
訪問看護ではオンコール対応が求められることが多く、その頻度や内容は事業所によって異なります。そのため、入職前に以下の点を確認しておくと安心です。
・月にどれくらいの頻度で当番が回ってくるのか(週1回なのか、月数回なのか)
・緊急対応がどの程度発生するのか(夜間や休日の出動が多いのか、電話対応が中心なのか)
・どのような内容の連絡が多いのか(体調変化の相談が多いのか、急変対応が必要なケースがあるのか)
・判断に迷ったときのサポート体制は整っているか(管理者や医師と連携が取れるのか、一人で判断する場面が多いのか)
オンコールの負担は、ワークライフバランスにも影響するため、無理なく対応できる体制かどうかを事前に把握しておくことが重要になります。
関連記事:「訪問看護のオンコールとは?内容や頻度、事例についても解説」
独り立ちまでの教育体制
訪問看護の仕事は、独り立ちするまでの教育体制が整っているかどうかが大切です。入職前に以下の点を確認しておきましょう。
・入社してから独り立ちするまでの教育体制(どのようなサポートが受けられるのか、何ヶ月程度で独り立ちを目指すのか)
・同行訪問の有無と期間(新しいスタッフが訪問を行う際に先輩看護師と同行するのか、その期間はどれくらいか)
・研修や勉強会の有無(定期的な研修や勉強会が実施されているか、スキルアップの機会や支援があるか)
十分な教育体制が整っていれば、独り立ち後も安心して仕事に取り組むことができ、スムーズに訪問看護業務をこなせるようになります。自分の成長に合ったサポートが提供されているかどうかを確認しましょう。
訪問件数や1日のスケジュールの組み方
訪問看護では、1日の訪問件数やスケジュールが業務の負担に大きく影響します。転職前に以下の点を確認しておくと、働き方のイメージがしやすくなります。
・訪問ノルマがあるか、1日に訪問する件数はどれくらいか(ノルマが厳しい場合、訪問件数が業務の負担になることも)
・1日のモデルスケジュールがあるか(例えば午前に2件、午後に3件訪問するという形だとして、どのようにスケジュールを組むのか)
訪問件数やスケジュールの組み方によって仕事のペースや疲れ具合が変わるため、無理のない働き方ができるかどうかを事前に把握しておくことが重要です。
関連記事:「訪問看護の1日の流れを解説!忙しい日に気をつける点やオンコールの流れは?」
移動手段
訪問看護の仕事では、訪問先への移動手段も重要な確認ポイントです。以下の点をチェックしておきましょう。
・移動手段は何か(自転車、バイク、車など、どの手段を使うのか、使用するのは社用車か自家用車か)
・訪問の範囲はどれくらいか(訪問先が近隣エリアに集中しているのか、広範囲にわたるのか)
移動手段や訪問範囲によって、移動の負担や効率が大きく変わります。自分のライフスタイルや体力に合った条件かを確認しておきましょう。
看護方式
訪問看護では、利用者へのケアの提供方法に「受け持ち制」と「チーム制」の2つの方式があります。
【受け持ち制】
1人の看護師が特定の利用者を担当し、継続的にケアを行う方式。利用者との信頼関係を築きやすいが、精神的負担が大きくなることも。
【チーム制】
複数の看護師が1人の利用者を担当し、協力してケアを行う方式。チームでのサポートが受けられる反面、利用者との関係性が薄くなる場合も。
それぞれ仕事の進め方や休みの取りやすさにも違いがあるため、基本的な違いを覚えておけば仕事のイメージがつきやすくなるでしょう。
違いの例としては、受け持ち制では特定の看護師が担当するため休暇調整が難しく、チーム制では複数の看護師が担当するため、休みや急な欠勤にも柔軟に対応しやすいという特徴があります。ただし、チーム制は人員が必要なので、完全チーム制を導入する事業所は多くありません。
記録に使うツールはなにか
訪問看護では、記録の方法も業務効率につながります。以下の点を事前にチェックしておきましょう。
・記録ツールは電子か紙か(多くの事業所は電子カルテを使用していますが、まだ紙での記録を行っているところもあります)
・電子カルテが使われている場合、タブレット端末などの貸与があるか、使いやすさや操作方法のサポートはあるか
現在、ほとんどの事業所は電子カルテに移行していますが、紙の記録が必要な場合もあるため、自分が慣れているツールを使用できるか確認しておくことが大切です。特に、操作で不安がある場合はサポート体制が整っているかも確認できるとよいでしょう。
給料や手当の内容が明確か
訪問看護の求人選びでは、給与や手当の詳細が明確かを確認することが重要です。
・モデル年収が提示されているか(具体的な年収額や、どのような条件で年収が変動するのか)
・手当や福利厚生の内容を事前に確認できるか(交通費や住宅手当、昇給・賞与の有無、社会保険などの福利厚生がしっかりと整っているか)
給料や手当などの待遇面の内容が不透明なまま入職してしまうと、後々になって確認しておけばよかったという後悔につながります。
待遇面については聞きづらいと感じるかもしれませんが、転職に失敗しないためには入職前にしっかりと確認しておくことが大切です。
訪問看護への転職に失敗しないために行うことは?

訪問看護への転職で失敗しないためには、求人情報だけでなく、職場見学会に参加して自分の目で見たり雰囲気を肌で感じることも重要です。
気になる事業所の雰囲気や具体的な業務内容、職場環境を確認でき、より納得のいく転職が実現できるでしょう。以下に実際の転職活動でやっておくべき内容を紹介しますので、参考にしてください。
複数の訪問看護ステーションを比較する
転職先を選ぶ際には、求人票の情報や紹介会社からの情報だけを参考にするのではなく、自分でも情報を集めるようにしましょう。
例えば、複数の訪問看護ステーションのホームページを確認し、それぞれの経営理念や特徴、待遇などを比較してみます。
複数のステーションを比較することで、事業所ごとの違いが明確になりやすく自分に合った職場を選びやすくなるため、ミスマッチを減らすことができます。
訪問看護ステーションの職場見学会に参加する
職場見学会への参加は、訪問看護ステーションの実際の雰囲気や業務の流れ、働くスタッフの様子、人間関係を直接確認できるメリットがあります。
面接では聞きづらい給料や休暇などの詳細な情報も見学会でなら聞きやすく、働くイメージが湧きやすくなるでしょう。
さらに、同行訪問が可能であれば、実際の訪問に同行して業務の進行や利用者との関わりを直接見て学ぶことができ、より具体的なイメージを持つことができます。
実際の職場を自分の目で見る機会を持つことで自分の希望条件に合っているか確認でき、転職の成功率アップにつながります。
訪問看護リハビリステーション白ゆりでは職場見学会を実施中
訪問看護リハビリステーション白ゆりでは、毎週火曜日に職場見学会を実施しています。この見学会では、実際の働き方や給与、待遇について、現場の職員が詳しく説明します。
訪問看護への転職を考えている方だけでなく、訪問看護に興味がある方や「まずは話だけ聞いてみたい」という方の参加も大歓迎です!
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まとめ
訪問看護の転職には、病院勤務とは異なる働き方や業務内容にギャップを感じることが多いため、事前の情報収集が重要です。
失敗を避けるためには、オンコール対応や業務内容、教育体制、給与体系などを十分に把握し、複数の訪問看護ステーションを比較して職場見学会に参加することが有効でしょう。
納得のいく転職を実現するために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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編集部
訪看オウンドメディア編集部
訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。