訪問看護のこと
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【30代看護師の転職】訪問看護へのキャリアチェンジ成功方法は?転職前に確認すべきことも紹介
30代は結婚や出産ライフイベントを経験することが多い年代のため、仕事にやりがいを感じながらもプライベートとの両立に悩む看護師も多いのではないでしょうか?
訪問看護は、夜勤がないため、ワークライフバランスを重視したい看護師が多く働く職場です。さらに、在宅医療の経験が積めるため、これまでの病棟経験を活かしながら新たな分野に挑戦したいと考える看護師にもお勧め。地域看護や在宅医療の分野に興味がある看護師にとって、個別性の高いケアを提供できる訪問看護の仕事は大きなやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。
今回は、30代看護師に向けて訪問看護への転職事情やキャリアチェンジの方法についてお伝えします。
訪問看護未経験の方もお気軽にどうぞ!
目次
30代看護師向け|訪問看護の転職事情
「訪問看護はベテラン看護師の仕事」というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、病院で経験を積んだ30代の看護師なら訪問看護でも十分に活躍できる職場です。
まずは、現在の訪問看護業界における30代看護師の需要や、転職事情について説明します。
訪問看護における30代看護師の需要は高い
日本の高齢化が進み在宅医療のニーズが高まる中、訪問看護の需要も増加しています。
出典:厚生労働省「訪問看護 第142回(H29.7.5)社保審-介護給付分科会 参考資料2」16P
厚生労働省の調査によると、訪問看護ステーションで働く看護師は40代以上が全体の7割を占めており、20〜30代看護師が半数を占めている病院に比べると、職員の平均年齢も高めです。
これだけ見るとベテランでないと務まらないと感じますが、各事業所で提示する臨床経験を積んでいれば30代の看護師でも十分に活躍できるので、多くのステーションで若い看護師を採用する動きが進んでいます。
これからも増え続ける在宅の需要に応えるためにも、訪問看護ステーションでは訪問看護師として長期的に活躍できる人材を求めており、30代の看護師の需要は高いといえます。
30代前半・後半の難易度は特にない
一般的な転職事情においては、30代前半は将来性やポテンシャルの高さ、30代後半は即戦力が求められることが多いとされています。
しかし、訪問看護では30代前半・後半の影響はそこまで大きくありません。訪問看護ステーションで働く看護師は病院に比べると全体的に年齢層が高いので、30代であれば訪問看護業界では若手の部類にあたり、今後の成長や将来性を期待されるでしょう。
また、臨床経験が長いからといって訪問看護のやり方にすぐ順応できるわけではありません。まずは訪問看護ならではの環境や感覚に慣れていくことが大切です。
訪問看護未経験でも転職が可能
2023年の就業場所別看護職員数(常勤換算)に関する調査によると、病院で働く看護師が65.5%を占めているのに比べ、訪問看護ステーションで働く看護師は3.9%と非常に少ない割合となっています。
出典:厚生労働省「訪問看護 参考資料 意見交換 資料-2参考R5.5.18」22P
訪問看護ステーションや訪問看護師の数は増加傾向にありますが、まだまだ看護師にとってメジャーな就業先とは言えません。そのため、ほとんどの看護師が訪問看護未経験で転職してきます。
研修も以前と比べて充実している事業所が多く、慣れるまでは先輩スタッフが訪問に同行するため、指導を受けながら経験を積むことができます。ぜひ、気負わずチャレンジしてみてください。
30代看護師が訪問看護に転職する理由
30代の看護師が訪問看護に転職する理由の多くは、ライフスタイルの変化や体力面の不安など、年齢とともに出てくるさまざまな変化によるものです。
ここでは、訪問看護に転職する主な理由と、実際にどういった働き方ができるかを説明します。
結婚などのライフスタイルの変化
結婚や出産、子育てなどによりライフスタイルが変化すると、周囲のサポートがなければシフト制の勤務や夜勤を続けるのが難しくなります。
訪問看護はオンコール体制があるものの基本的には日勤帯で働けるため、家庭や育児との両立がしやすいというメリットがあります。また、土日休みという事業所も多く、家族と休みを合わせたり、子どもの行事にも参加しやすいです。
夜勤の対応が体力面できつくなった
20代のころは若さや気力で乗り越えてきた夜勤も、30代になると少しずつ体力も衰え、夜勤が辛いと感じる看護師が増えてきます。
夜勤によって生活リズムが崩れると睡眠障害や自律神経の乱れなどの不調が生じやすくなるため、健康を考えて夜勤のない職場に転職を考える30代の看護師も少なくありません。
また、30代は中堅看護師としてチームリーダーや後輩の指導など責任のある業務を担当する機会も増えることにより、精神的な負担も感じやすくなる時期でもあります。夜勤のない訪問看護ステーションに転職することで規則正しく健康的な生活を送りやすくなるでしょう。
在宅医療への興味
在宅医療のニーズの高まりを背景に、訪問看護にチャレンジしてみようと考える看護師が増加傾向にあります。病院での退院支援の経験をきっかけに患者の退院後の生活に興味を抱き、訪問看護の道に進む看護師も少なくありません。
また、多忙な業務の中で、患者一人一人とじっくり向き合いたいという思いから、長期的に利用者と関われる訪問看護で働きたいとキャリアチェンジを考える看護師もいます。
自分が興味のある分野で経験を積むことで、やりがいを持って働き続けることができるでしょう。
看護スキルを高めるため
看護スキルには、アセスメント能力・状況判断能力・コミュニケーション能力・繊細な配慮ができる能力など、さまざまなスキルがあります。
訪問看護では、看護師が1人でサービスを提供することがほとんどなので、的確な状況判断力が不可欠。そのため、在宅の経験を積むことにより、その場にいないほかのスタッフや医師などに正確な報告ができるようなアセスメント能力やコミュニケーション能力など、看護師に欠かせないスキルを総合的に高めることができます。
訪問看護にキャリアチェンジする方法は?
訪問看護へ転職するには、主に3つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、大切なのは自分にあった転職方法を選択することです。それぞれ簡単に説明します。
志望する訪問看護ステーションに直接応募する
直接応募は、志望先の訪問看護ステーションに関する情報収集を行い、自ら電話やメール、HPなどから応募する方法です。
情報収集から応募までを全て1人で行わなければならないため、時間と労力がある程度かかります。しかし、自分のペースで転職活動が進められることや、応募先に「ここで働きたい」という意欲が一番伝わりやすいことがメリットと言えます。
訪問看護ステーションによっては職場見学会を実施しているので、転職後のミスマッチを防ぐためには参加することをお勧めします。また、友人紹介(リファラル)を実施しているステーションもあるため、そういった制度を有効活用するのも良いでしょう。
訪問看護リハビリステーション白ゆりでも、職場見学会を実施しています。訪問看護に興味があるけど、まだ応募意思がない…という方も大歓迎です。お気軽にご参加ください。
求人サイトから応募する
複数の求人を比較しながら閲覧できる求人サイトを経由しての応募です。複数のステーションに応募することも可能ですが、スケジュール調整などは自分で行う必要があります。
エージェント(紹介会社)経由で応募する
転職エージェント(紹介会社)の支援を受けながら、応募〜入社までのサポートを受けられるサービスです。求職者の条件にあう転職先をマッチングしてくれたり、履歴書添削や面接対策など手厚いサービスを受けられるのが特徴です。
ただし、エージェント経由の転職は高額な紹介料が発生する場合が多いため、事業所によってはエージェント経由での応募は受け付けていない場合もあります。
訪問看護への転職前に確認しておくべきことは?
訪問看護に転職しても「想像と違った」といった理由で早期退職してしまうケースがあります。
ミスマッチの多くは情報収集が足りないために発生するため、応募の前に以下のような内容についてしっかりと情報収集を行い、自分が働く姿を想像しやすいステーションを選びましょう。
職場の雰囲気はどうか?
訪問看護は個人プレーのようなイメージがあるかもしれませんが、質の高いサービスを提供するためにはチームワークが重要です。特に1人で利用者の自宅に伺う訪問看護では、疑問点を気軽に相談し合える雰囲気があるかないかで仕事のやりやすさが変わってきます。
可能であれば、説明会などで実際に働くスタッフと話したり、ステーション内の雰囲気を肌で感じられるような機会を持てるとよいでしょう。
訪問看護リハビリステーション白ゆりでは、ステーションで働くスタッフのリアルな姿をInstagramに投稿しています。
1日の訪問件数はどれくらいか?
1日の訪問件数は事業所によってばらつきがあり、訪問件数が多いほど給与は高くなる傾向がありますが忙しさも増します。
訪問スケジュールがタイト過ぎると、体力的にもきつく、医師やケアマネジャーなどと必要な連携をとるための時間がなかなか作れないというデメリットも生じます。訪問件数のほか、移動手段や訪問範囲なども合わせて確認しておきましょう。
白ゆりでは、1日5~6件と一般的な訪問件数でスケジュールを調整しています。白ゆりで働く訪問看護師の1日のスケジュールは下記のリンクをチェックしてください。
訪問看護リハビリステーション白ゆりの働き方は?
オンコールの体制は?
オンコール当番の回数や手当などは事業所によって異なるため、しっかりと確認しておきましょう。実際にどのような内容のオンコールが多いのか、緊急訪問の件数がどのくらいかなども、データがあれば把握しておくと忙しさの指標になります。
訪問看護のオンコールについては下記の記事で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
訪問看護のオンコールとは?内容や頻度、事例についても解説
どのような利用者が多いか?
利用者の要介護度や医療依存度の高さによって、オンコールの頻度やサービス内容にも他生の変化が出るため、どのような利用者が多いか確認しておくと仕事のイメージがつきやすいです。
また、訪問看護ステーションの中には精神科、母子支援、ターミナルケアなど、特定の分野に特化したステーションも存在します。
自分がやりたい看護や希望する働き方が実現できそうかは、応募の前にしっかり確認しましょう。見学会や説明会を実施していれば参加してみることをお勧めします。
訪問看護に必要な経験・スキルは?
訪問看護の転職事情や転職方法、理由などについて紹介してきました。ここでは、訪問看護師として働くために必要な経験やスキルはあるのかについて簡単に説明します。
経験やスキルが自身のアピールポイントにも繋がりますので、訪問看護の求人に応募する際の参考にしてみてください。
訪問看護では臨床経験が求められる場合が多い
訪問看護の必要な経験として挙げられるのが、ある程度の臨床経験です。年数は事業所によって変わりますが、3~4年以上の実務経験が求められる場合が多いと思います。
訪問看護でよく実施される医療処置は、浣腸や摘便などの排便ケアや点滴、尿道カテーテルの交換など、病院の臨床現場で日常的に行われているものです。時に応用が必要なケースはあるものの、基本の看護技術を押さえていればほとんどが対応可能です。
訪問先で体調悪化や急変の場面に遭遇する可能性もあるため、臨床現場での急変対応の経験が活かせるでしょう。訪問看護に必要な経験については下記に詳しく記載しています。
訪問看護師になるには?必要な資格や求められるスキルについて解説
コミュニケーション能力が求められる
訪問看護では、利用者や家族、ケアマネジャー、医師や薬剤師、ヘルパーなど多職種と連携し、サービスを提供します。そのため「相手に合わせてわかりやすい言葉で話す」「状況を整理して、情報を正しく簡潔に伝える」などさまざまな場面でコミュニケーション能力が必要とされます。
主体性がある
訪問先では基本的に看護師1人で対応するため、自分で考えてその場の状況に応じて判断、行動する必要があります。誰かに指示されるのを待つよりも、自分の頭で考えて行動する方が得意という人は訪問看護に向いていると言えます。
体力がある
1日に5~6件の自宅を回ることになるため、ある程度の体力が必須です。訪問内容によっては移動や入浴の介助が続くといったこともあり、訪問先によっては室温のばらつきなど療養環境が整っていないケースも。体調管理にも気をつける必要があります。
これらは必須のスキルではありませんが、訪問看護に向いている人の特徴にあたります。訪問看護に向いている人、向いていない人については下記の記事で説明していますので、参考にしてみてください。
訪問看護師に向いている人の特徴!どんな人に適性がある?
30代の看護師が訪問看護で働く注意点は?
訪問看護は日勤で働けるというメリットがあるため、病院から転職する看護師が多くいます。ですが、それだけを目的に転職すると病院との働き方にギャップを感じてしまいます。
利用者へ看護ケアを行うという部分は病院と変わりませんが、訪問看護ではそれ以外の業務もたくさんあります。
訪問看護ならではの業務やスケジュール調整で注意すべき点など、転職前に知っておいてほしいことをお伝えしますので、転職後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを減らす参考にしてみてください。
看護以外の業務がある(書類作成や契約など)
訪問看護師の仕事は訪問業務だけではなく、書類作成や利用者との契約といった営業的な活動も含まれます。
書類作成には、毎月の報告書や計画書、入院時サマリーなどがあります。さらに、利用者の体調に変化があったときやトラブル発生時には、必要に応じて医師やケアマネジャーへ連絡をとるといった多職種連携も必要になります。
また、ケアマネジャーへの営業活動や新規利用者の契約手続きなども訪問看護師の業務に含まれています。
休みが取りづらいケースがある(訪問スケジュールの調整が必要)
それぞれの利用者に担当看護師が決まっている受け持ち制の場合、訪問がある曜日は休みにくく、急な休みの際は訪問スケジュールの調整が必要になります。病院と違い、訪問看護は少人数で運営している事業所も多く、ほとんどが受け持ち制を導入しています。
休みについては事業所ごとに対応が異なるため一概に言えませんが、訪問看護で働く職員には子育て世代が多いので、それぞれ協力し合いながら休みを取るといった事業所が多いかと思います。そのため、自分も協力し合う姿勢を持つことが必要になります。
オンコール対応が可能な体制を自分で整える必要がある
オンコールの電話は24時間いつどんなタイミングで鳴るかわからないため、子どもの年齢によってはオンコールを持つのが難しいと感じる人もいます。
とはいえ、オンコールはほとんどの事業所で必須となる業務なので、実際に訪問看護で働くと考えたときには、どれだけの回数なら対応できるのか、パートナーや親族の理解や協力を得られそうかを確認しておき、オンコールに対応できる体制を整えておきましょう。
清潔ではない訪問先もある
訪問先の中には、整頓され掃除の行き届いた自宅もある一方で、あまり清潔ではない自宅もあります。対策として、靴下カバーやスリッパを着用して訪問しますが、潔癖症の方やアレルギー体質の方は注意が必要です。
白ゆりでは30代の看護師が活躍しています
訪問看護リハビリステーション白ゆりでは、20代、30代、40代と幅広い年代の看護師が在籍し、日々質の高い看護の提供に勤めています。転職理由としても、子育てなどによる生活の変化や看護の経験を深めたいなどさまざま。ほとんどの職員が訪問看護未経験からスタートしています。
訪問看護リハビリステーション白ゆりのメリット
①オンコールの待機回数が月2~3回と少なめで対応しやすい
②土日、祝日は休み!祝日が仕事の場合は高水準の手当を支給
③入社時の研修や同行訪問、勉強会などの実施で未経験でも安心
④笑顔やお互いで助けあうチーム力を重視する企業風土がある
白ゆりでは、札幌市内で働く訪問看護師を募集中です。求人に関しては下記採用情報をご確認ください。より詳しい働き方を知りたい方は職場見学会を実施しているので、お気軽にご参加ください。
【訪問看護リハビリステーション白ゆりの採用情報/職場見学会のお申込み】
訪問看護リハビリステーション白ゆりの採用情報
職場見学会申し込みフォーム
白ゆりで働く職員インタビューも掲載!
「ライフステージの変化により病院から転職した訪問看護師のインタビュー」
「20代で病院から訪問看護に転職し、管理者として活躍している訪問看護師のインタビュー」
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週間
編集部
訪看オウンドメディア編集部
訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。