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【インタビュー】大切なのは信頼関係という下地。看護師が語る訪問看護の奥深さ

【インタビュー】大切なのは信頼関係という下地。看護師が語る訪問看護の奥深さ

病院からの転職者が多い訪問看護。今回インタビューをしたAさんも、ライフステージの変化などから訪問看護へとたどり着いた1人です。

興味と不安を抱きながら歩みだした訪問看護という道の中で、利用者さんとの関係づくりの大切さに気付いたというAさん。これまでの経験と、2024年6月に白ゆり発寒事業所の管理者となった意気込みなどをお聞きしました。

訪問看護リハビリステーション 白ゆり 発寒所属 A.Sさん
2020年7月1日入社 2024年6月より発寒事業所の所長を務める。

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さまざまな経験を経てたどり着いた、訪問看護への道

——まず、白ゆりに入社する前の経歴を教えてください。

大学を卒業後、大学病院の小児科病棟に6年ほど勤めました。ほかの病院では見れない疾患の子どもが多く、命に係わる急変やドクターヘリも稼働するような病棟だったので結構バタバタでしたが、大変ながらも楽しく働けていました。

——その後は別の病院も経験されていますよね?

そうですね。大学病院は家庭の事情で退職し、地方の病院に入職しました。一応、急性期だったんですけど、高齢者の患者さんが多くて状態も幅広かったです。最初の病院が大変だったこともあり、慢性期のような印象がありました。高齢者の方が多いことで環境も見る年齢も変わったので、こういう現場もあるんだと……。一般的な医療技術もそこで一番身についたかもしれません。

それからは子育てで夜勤が厳しくなったので、外来と小さい病棟があるクリニックに転職しました。

——外来は初めてだったと思いますが、印象はいかがでしたか?

あまり患者さんと関わらないため流れ作業のような印象で、私のやりたい看護ではないかもしれないと感じました。患者さんに寄り添う、というわけではないですが、それでももっと密に関われた方がいいなと思いましたね。

——訪問看護に興味を持った理由も、そういった経験があったからですか?

特に外来の経験が大きいかもしれません。しょっちゅう外来にかかる方や入退院を繰り返す方に対して、あまり指導をしないで帰らせている場面を見ていたので、「また入院するんじゃない?」と疑問を抱いていました。「家で誰が見てくれるんだろう、対策を考えて指導してあげた方がいいのでは?」と考えだすと在宅の現場も気になり初めて、そこから訪問看護に意識が向きました。

最初は興味から。現場を知り、自分のビジョンを描いていく

——数ある事業所の中で、白ゆりを選んだ理由はありますか?

実ははっきりとした理由はなくて。比較的新しい会社だったことや、病院併設でなく株式会社という点から、どんな感じなのかな?という好奇心が強かったです。

ただ、オンコールのことや1日何件訪問するのかとかはイメージがつかなかったので、今後はどうなっていくのかという不安もありました。

——興味と不安が入り混じったお気持ちだったんですね。では、実際に白ゆりに入社した後でギャップを感じることはありましたか?

最初にギャップを感じたことは、働く看護師のイメージでした。勝手なイメージですが、訪問看護=ベテラン看護師のイメージがあって。でも、いざ入社してみると、白ゆりは若い人や訪問看護の経験が浅い人も多く働いていたので、そこはギャップを感じました。

あとは、訪問先で看護をするというイメージは何となくあったのですが、利用者さんのお宅に契約をしにいって、実際にその場で契約書の説明をするのも看護師の仕事とは知らなかったので、そこもびっくりしました。

——確かに、そこはギャップを感じてしまうかもしれませんね。同行訪問などで実際の訪問看護の現場を見てどう思いましたか?

軽度の方から寝たきりの方まで訪問しており、幅が広いと感じました。特に好印象だったことが、看護師が利用者さんと密接に関わろうとしていることや明るく訪問していたことです。

利用者さんだけでなく、ご家族にも積極的に声掛けをしていて、自分も利用者さんと良い関係を築けたらいいなと思いました。不安はあったけど悪い印象はなくて、楽しく同行訪問ができました。

白ゆり職員のインタビュー

ある利用者さんへの介入で気づいた、関係性の大切さ

——白ゆりに入社して4年くらい経ちましたが、いままでの訪問で印象に残っているエピソードはありますか?

入社して間もないころに、ケアマネジャーさんから「薬の飲み忘れがある認知症の方の薬の管理をお願いします」という依頼を受けたことがありました。

具体的にどんなことができないのかなど詳しく聞いていたのですが、実際に初回訪問をしたところ、「どうして薬が飲めないと思っているんですか!」と利用者さんの機嫌を損ねてしまったんです。

そのときは「飲めないと思っているわけでなく、依頼を受けたので確認がしたかっただけなんです」と、あまり踏み込まずに訪問を終えましたが、利用者さんの考えを尊重するということを考えさせられた経験でした。

その方の人生で大切にしてきたことやプライドを持っている部分を知らないまま、依頼の内容を目的に進めてしまったことが原因だと思います。依頼の前に関係性がないと、こちらが見たいところも見ることができませんから。それからは、依頼内容を念頭に置きつつも、まず利用者さんがどのような方なのかを意識するようになりました。

——その利用者さんには、その後どのように介入を?

実は、話に聞いていたほど認知症ではなかったんです。

90代の方なので年相応に勘違いをしてしまうことはあっても、薬が飲めなかったり、忘れちゃうということはなくて。ただ、あまり薬が好きでないので「今日は調子が悪いから」と自己判断することはあったみたいなので、基本は利用者さんがやりやすいように、少しずつしか介入しませんでした。

いまでは「やってもらえるならありがたい」と言っていただけているので、信頼関係をしっかり築けたのではと思っています。

——関係性という面では病院とギャップがありますね。病院なら「この薬を飲んでください」で終わりますけど、訪問看護はちょっとずつ歩み寄っていく。

そうですね。最初に「信用していないんですね」とビシッと言われたことが衝撃でした。関係性の大切さを理解してからは、言葉・丁寧さ・間の取り方など、利用者さんの特性に合わせた会話をするように気をつけています。訪問看護はこちらがお伺いする立場なので、看護師が利用者さんに合わせていく必要があると気づけた事例だったと思います。

「訪問看護をやってよかった」と思ってもらいたい。管理者としての体制づくり

——今年の6月から発寒のリーダー兼管理者になられましたが、仕事の進め方など変化はありましたか?

責任の重さをひしひしと感じています。発寒は北30条の出張所として運営してきましたが、今年の6月から指定訪問看護事業所となり、稼働も含めてしっかりやっていく必要があると感じています。訪問依頼の調整や稼働を安定させるための顔出し、スタッフに対するフォローも引き続き行っていきたいです。

——具体的にはどういったフォローが必要だと感じますか?

看護師の数も増えてきたので、悩み相談なども必要になってくると思います。訪問看護がどうしても合わなくて辞めてしまう方は一定数いるとしても、「訪問看護をやってよかった」と思ってもらえるような体制をつくっていきたいと考えているので、スタッフ同士で連携をとりながらうまくフォローしていければと思っています。

白ゆりリレークエスチョン:訪問看護師のストレス発散方法は?

「笑顔で、むすぶ、おもてなし」から考案した職員同士でむすぶリレー企画です。今回はインタビュー第一弾ということで、Aさんにはオウンドメディア編集部からの質問に答えていただきます!

——自分なりのストレス発散方法を教えてください

多分、性格だと思いますが、辛いことがあってもあまり悩まないのでストレスで困ることってないかもしれません。スタッフと話すことで困りごとも解決できるので、家に帰ってまで引きずることはあまりないですね。

——NEXT:自分のスケジュールをきちんとこなすために、自己管理で工夫していることはありますか?

体調面での自己管理をどうしているか聞きたいです。訪問看護は訪問のスケジュールが事前に決まっているので、休むときは調整する必要があります。休めないわけではないですけど、できれば体調不良で突発的に休みたくない。なので、なにか工夫していることがないか教えてください!

※本記事は取材時(2024年10月17日)のもので、記載情報は現在と異なる場合がございます。

編集部

訪看オウンドメディア編集部

訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。

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