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【対談インタビュー後編】白ゆり訪問看護の「いま」と「これから」に迫る

【対談インタビュー後編】白ゆり訪問看護の「いま」と「これから」に迫る

前編では、白ゆりの根幹にある「挨拶と笑顔」を軸に、質の高い訪問看護を支える地域専門職としてのこだわりやチームワークの秘訣について、佐藤文彦社長と長屋智美訪問看護事業部長が語り合いました。

後編では、高齢化が進む日本において重要性を増す訪問看護の未来に焦点を当て、2025年問題を見据えた白ゆりの展望を掘り下げます。

地域包括ケア、DX化、そしてプロフェッショナルとしての主体性。多岐にわたる事業を展開する白ゆりグループが描く訪問看護の未来とは?

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2025年問題とこれからの訪問看護のあり方とは

↓↓ 対談インタビュー前編 ↓↓
白ゆり訪問看護の「いま」と「これから」に迫る/前編

佐藤:
2025年というと、日本の高齢化率が総人口の30%に達するとされており、さらに2040年には35%まで増加する見込みが出ていますし、比例するようにして労働人口が減っていきます。

介護だと、2025年で人材が約37万人足りないですし、札幌市でも数千人単位で足りない。このような状況なので、外国人技能実習生を受け入れる仕組みの活用と、DXの推進を組み合わせていく必要があります。

医療、介護も一つのサービスだけで何とかしようと考えるのではなく、地域包括ケアという概念をよく理解し、地域専門職がトータルでサービスを提供していける環境を、会社全体で主体性をもって考えていかないと解決できません。

現在、サービスのプランニングは居宅のケアマネジャーが行っていますが、ケアマネも足りていませんね。

長屋:
全然足りていないです。ケアマネの試験に受かる方は多いですが、そこからなかなかケアマネジャーの就業につながっていないのが現状です。

株式会社メディカルシャトー代表取締役社長 佐藤文彦
白ゆりグループ 株式会社メディカルシャトー 代表取締役社長 佐藤文彦

佐藤:
ケアマネジャーの数が足りていないから、適切なサービスが受けられないサービス難民の方も多くなってしまう。なので今後は、訪問看護などでケアマネの業務委託が起こり、各事業所でもAIなどを活用したケアプランが作れる方向になっていくんじゃないかと。

これからは、地域包括ケア・ICTやAIの活用、外国人人材の活用、介護保険制度の改革の4つが焦点となってくるので、環境の変化を捉えながらいかに率先して先手を打てるかが重要になると思います。

長屋:
どの訪問看護事業所も、これからの流れについていかないといけませんね。

佐藤:
地域のサービスってそのときよければ良いという話ではなく、持続性をもって選ばれる良いサービスを提供できる組織であり続けないといけない。

なので白ゆりでは、チームで実行できる環境を整えていきながら、今後もさまざまなことに対して自信をもってチャレンジしていきたいと思います。そうしないと、これからの高齢化で起こる問題は解決できないですね。

株式会社メディカルシャトー 訪問看護事業部長 長屋智美
白ゆりグループ 株式会社メディカルシャトー 訪問看護事業部長 長屋智美

長屋:
2025年の看護師国家試験では、約5万3千人の方が合格(※)しています。過去と比べても決して合格者が減っているわけではないんですが、それでも政府の予定では看護師が最大27万人足りないとされています。

これから先、看護師の数を減らさないためにも、看護師だけにしかできない仕事に集中させられるような環境が求められてきますね。

※参考:厚生労働省「第111回保健師国家試験、第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表

佐藤:
今後もAI化が進むなかで、多職種をつなぐ接点としての役割を果たしている看護師の存在は、より重要な時代になると思います。2040年に近づくにつれ、看護師の活躍はますます期待されるようになるでしょう。

そのような時代を迎えるうえで、白ゆりでは人材の確保が必要になります。いままでは白ゆりの利用者さんや社員が会社の良さを知ってくれていればよかったものが、地域のつながりをより強固にするためにもサービスだけでなく、適切な情報提供を行っていかなければならなくなります。

どの法人であっても、社会的な価値をどのように提供できるかは必ず問われますから、白ゆりが「目指す先」を声明し、地域に価値を提供していくというPDCAをしっかり回していかなければなりません。それが最終的に、白ゆりの魅力をお伝えできる形になるのかなと思います。

「私たちはプロ」という主体性を失わず、DX化で柔軟な働き方を実現

佐藤:
ここ数十年で看護師の役割や働き方は大きく変わってきたと思いますし、おそらく今後も変わっていくでしょう。いろんな考えがありますが、まず一つはDXをうまく活用しながら、看護師の仕事をできる限り効率化していくことです。

ペーパーワークやルーティンワークをどう軽減していくかはすごく大事になってくるだろうし、出産や育児、介護といったライフステージの変化もある。そのなかで、フレキシブルな働き方をどう実現していくかが重要になると思います。

また、私たちはプロなので、どんな雇用形態であれ一つ一つの仕事に対して責任を持たなけれななりません。仕事に対して主体性を持ちながら、お互いに責任を持ちあえるような環境の整備にチャレンジしていきたいです。

ただ、DX化といってもコミュニケーションが希薄になるのは避けなければならない。訪問看護は特に1人での仕事が多いので、せめて1日1時間でも今日の体験を共有するような時間が必要になってきます。

訪問看護師のフレキシブな働き方を実現するために必要なことを語る二人

長屋:
看護は感情労働なので、感情のコントロールが必要なときに、自分の想いを受け止めてくれる人がいなかったら辛いと思います。直行直帰が多くなると、話す機会も少なくなりますね。

働き方といっても、訪問看護はそれなりに制限がある職業なので、この仕事で多様な働き方というのは難しい側面もあります。さまざまな働き方があるなかでベストな体制があるなら、そこを大きく変える必要はないと思うんです。

ただ、その人のライフステージがありますので、ステージに合わせて雇用形態は変えてもらうことはできます。

佐藤:
いくつかのバリエーションは必要になるので、時代の変化に追随していくチャレンジをし続けたいと考えています。ワークフローはどんどん効率化させていきたいですね。

長屋:
書類の作成といった手元でできる作業は電子化されているので、それだけでもう今までと効率が段違いです。デジタル化が追い付いていない病院もまだあるので、今後、札幌市全体でDX化が広まっていけばより働きやすくなっていくのかなと思います。

明るい未来にワクワクできる会社を目指して

白ゆりは明るい未来を想像できる会社のあり方を目指すことを語る二人

佐藤:
白ゆりグループでは、地域と長くお付き合いできる関係をつくっていきたいと考えています。数カ月で一つのサービスを提供するだけでなく、いろんなサービスを組み合わせながらその方の生活を支え、将来的には2万人のお客さまの生活をプロデュースできるチームでありたいと思っています。

困ったときに一度は白ゆりにご相談いただけるよう、安心安全な医療・介護を提供し、元気を与えられるような私たちで居続けたいです。

また、白ゆりで働いてくれているスタッフには、ベースアップも含めて、常に還元ができるような運営にチャレンジしていきます。地域の方はもちろん、スタッフにとっても未来に対してワクワクを感じられるような会社を目指していきたいですね。

長屋:
今後も、正しく訪問看護をやり続けていこうと思っていただけるような方を育てていかなければと思います。いまのところ不安はないので、スタッフのみんながさまざまな経験を重ねていけるような環境を整えていきたいです。白ゆりで訪問看護を学んでいただき、自信をもって働いていける会社でありたいと思います。


今回は特別企画として、白ゆりグループ代表取締役社長・佐藤文彦と、白ゆりグループ訪問看護事業部長・長屋智美による対談インタビューを、前編・後編にわたってお届けしました。

白ゆりグループのこと、そして、訪問看護リハビリステーション白ゆりとして、地域の方々へ必要なサービスをお届けし続けることへの真摯な想いを、少しでも感じていただけたらと幸いです。

※本記事は取材時(2025年3月3日)のもので、記載情報は現在と異なる場合がございます。

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編集部

訪看オウンドメディア編集部

訪問看護師として働く魅力をお伝えすべく、日々奔走する白ゆりのWebメディア担当。
ワークとライフに役立つ記事を中心に、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。

インタビュイー

佐藤文彦

株式会社メディカルシャトー代表取締役社長。2011年、白ゆりグループ入社。入社前は電通国際情報サービス(現:電通総研)、Dassault SystemsといったIT企業に15年在籍し、製造業向けITサービス事業で営業・マーケティングマネージメントに従事。北海道大学システム工学科医用システム工学専攻修了。趣味はゴルフ、音楽鑑賞(JAZZ, Hip Hop)、グルメ旅。

インタビュイー

長屋智美

株式会社メディカルシャトー訪問看護事業部長。2020年、白ゆりグループ入社。現在は札幌・函館地区の訪問看護事業の総括業務に従事。在宅ケア領域で30年の実務経験を有し、主任ケアマネジャー資格を保有。豊富な知見を生かし、札幌市内のセミナーでは講師を務めるなど、地域の人材育成にも取り組んでいる。趣味はソフトクリームの探索と研究。

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